現在当ユニオンは、SES(System Engineering Service)企業と称して詐欺行為を繰り返している詐欺グループを相手取って、裁判ないし争議を続けております。労働組合の権利を行使し、政策的措置や啓発によるSES詐欺の撲滅、詐欺被害の救済を目指しています。
被害を受けた労働者が詐欺グループの親玉である内海章紀氏、宮田亜美氏に対して起こした損害賠償請求訴訟では、2024年7月19日に東京地裁で勝利判決を勝ち取りました。地裁判決では、被告のスクール事業と、経歴詐称をさせて客先に入場させる行為が詐欺であると認定されています。
しかし、相手方は控訴してきており、11月に高裁期日が設けられています。また彼らは原告の一人に対して会社名で約1億円を請求するスラップ訴訟を起こしてきています。スラップ訴訟は地裁判決の数日前に提起され、原告を含めた被害者たちへ訴訟提起を報告するSMSが一斉に送られました。おそらく、今後損害賠償請求をしてこないよう、けん制しているのだと思います。
極めて悪質な詐欺師集団ですが、未だに活動を広げています。そこで、このブログでは、詐欺グループの企業名および中心人物の名前を明らかにし、みなさんに注意を呼び掛けたいと思います。これをみた方は、是非拡散をお願いします。また、求人メディアの担当者は、同名の企業・代表者の情報を掲載していないか、チェックし、あれば削除をお願いします。
次の企業にはご注意ください。
【SES詐欺企業リスト】
※同じ名前の企業もありますが、そうした企業からも注意喚起をお願いしたく思います。
・Tech Love株式会社
・株式会社フロンティア
・株式会社サクセス
・株式会社クライムゲート
・株式会社ITソリューションズ
・株式会社miifuz
・株式会社Tecving
・株式会社H&Future
・株式会社Villoba
【SES詐欺企業代表者リスト】
詐欺グループの幹部が会社の代表者となって同様の詐欺行為を繰り返しています。
・内海章紀
・宮田亜美
・牧慎太郎
今回問題となったSES詐欺の内容は、次の通りです。
➀「未経験OK!」「月収30万円」などの好条件求人を求人メディア「Indeed」や「duda」に掲載し、SE志望者を募る。「経歴を“盛る”ことはできる?」「この業界では“盛る”のは当たり前だから」と質問し、面接の場ですぐに内定を出す。
➁内定者に自社のプログラミングスクールを受講するよう促し、48万円~60万円を支払わせる。もしくは、スクール代60万円を貸し付ける契約書を締結し、1年間働けば返済不要としてやめられないようにする。しかし、実際にプログラミングができるようになる講義を行わず、無料公開されている動画を自分で見るよう指示するだけ。
➂プログラミングスクールの授業という名目で、客先に紹介するためのスキルシートを、経歴を詐称した内容でつくらせる。未経験でも経歴を5年ほど「盛る」よう指示される。サンプルを参考にして虚偽の経歴をいくつも記載し、扱える言語なども虚偽のものを記載する。
※「スキルシート作成マニュアル」があり、「すべての現場にJavaは必須で記入すること」「DB言語であるSQLは最低2つは入れること」などと書いてあります。
➃詐称したスキルシートを客先企業に送り、客先との入場面接を設けられたら、詐称した経歴の通り話せるよう面接の練習を行う。
➄現場に入場することが決まったら、そこで初めて雇用契約書を締結する。現場では経歴詐称していることを絶対に悟られないよう、また疑われても認めないよう教え込む。
➅給与支払いを就労月の2か月後としており、それまでは一切賃金が支払われない。
➆現場に入り、おかしいと気づいた労働者が退職の意思表示をした場合、残っている給与は支払わず、社会保険の資格喪失証明書や離職票、源泉徴収票の発行などの退職手続きは行わない。退職者からの連絡は無視する。
⑧登記上の住所をレンタルオフィスとしており、被害者や行政機関(労基署、税務署等)が本人たちと接触することができないようにしている。
【今後の動き】
現在も被害者の方からの相談が相次いでいます。収集した証拠類から、被害者の数は600人以上に昇ると分かっています。被害者は20代~30代の若年労働者に多く、新卒で詐欺につかまってしまった人も多く含まれます。
現在、刑事告訴やさらなる損害賠償裁判の提起などの準備を進めているところです。
SES自体、問題が多いと言われている事業ですが、今後、本件を皮切りに業界自体の適正化を目指して活動していきます。情報提供や、組合加入のご連絡をお待ちしております。