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あなたも10万円の対象かも? 家計急変世帯への給付金

2022年7月11日

 2021年11月に閣議決定された子育て世代への臨時特別給付金は、18歳未満以下の子供一人当たり10万円相当が支給されるというものだ。しかし、この制度に対しては、子供の有無にかかわらず困窮する人にも給付が必要だという要望が多くあがっていた。これを受けて困窮世帯をカバーする制度として住民税非課税世帯に対しても、10万円の臨時特別給付金支給が決定した。住民税非課税世帯というのは令和3年度なら2020年1月1日から2020年12月31日の住民税均等割が非課税である世帯を指す。例えば単身世帯で新宿区在住の場合※1、2020年の年収が100万円以下の人が対象になる。100万円て!月8万そこらでどうやって生活しろってんだポンポコピーが!という声に答えてか、そうでないのか、政府はさらにこの住民税非課税世帯にも該当しない人をカバーするため「家計急変世帯の臨時特別給付金」なる制度を作ったぞ!住民税非課税世帯給付金は自治体からお知らせが来るのに対して、家計急変世帯給付金は何のお知らせも来ない!はい!出ました行政のお家芸!だから家計急変給付金は自分から自治体のホームぺージまでいって、申請書をダウンロードし、手続きする必要がある。この点において家計急変世帯給付金制度は知らない方も多いのではないか。そこで制度活用を広めるため、多くの人に読んでもらいたい。


◆対象になる人※2

(1)新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入が減少したこと

(2)年収見込み額が住民税非課税水準に相当する額以下となる世帯


↓東京都北区の場合(注意:限度額は自治体によって異なる)


◆年収見込み額ってなに?

 家計急変給付金では、年収見込み額が住民税非課税水準に相当する額以下となる世帯が対象とされている。行政の使う用語が難解なのは毎度のことだが、聞き慣れない「年収見込み額」という言葉だ。説明しよう。年収見込みとは、各自治体が定める期間のうち、任意の1ヶ月の収入(手取りではなく額面)を選定し、その任意の1ヶ月を12倍した金額のことを指す。この金額が年収見込み額と解されるというわけだ。わかりにくいな!しかも年収見込み額は“世帯全員”が非課税限度額以下であることが条件となる。


◆任意の1ヶ月とはいつを選べばいいのか

 任意つったってどこを選んでもいいんですかって疑問が出てくるだろう。例えば今から1年前の2021年7月の収入を選んでもいいのか。内閣府のリーフレット※3には「令和4年1月以降の任意の1か月収入」とある。筆者が確認した10以上の自治体は全て、2021年の収入での申請は認めず、2022年1月以降の収入を選定するよう指定している。これは6月に住民税の確定がされるためだ。今から申請する場合は、2022年1月以降で任意の1ヶ月を選ばなければならないと考えていいだろう。ただ自治体によっては、どうしても2021年の収入で申請したい場合は、問い合わせするよう書いてあるところもある。あきらめずに問い合わせしてほしい。


◆どんな書類が必要か

―給与所得のみのケース―

(1)本人確認書類

(2)振込口座が確認できる書類のコピー

(3)年収見込み額が確認できる書類のコピー

 ・給与明細

 ・源泉徴収票

 ・確定申告書

 等々、自治体によっては給与明細がない場合に預金通帳のコピーでも対応可能なところもある。


◆ポイント

(1)収入の計算は見込みでいい!

 住民税非課税世帯が厳格に所得額が決められて狭い範囲であるのに対して、家計急変給付金は収入の“見込み”で判定を行う。ここがミソなのである!

(2)世帯という言葉に注意!

 例えば一人暮らしをしていても、実家から住民票を移していない場合、実家の世帯に所属していることになる。給付金の判定では、世帯全員の収入が判定対象だ。つまり世帯のなかに一人でも非課税限度額を超えている親族がいると、支給対象に該当しない。世帯全員が非課税限度額以下であることが要件だからだ。家族と同居していても、財布が別で世帯分離している人は自分が単独の世帯主になるので、自分だけの収入で計算される。単身単独の世帯主で、指定期間のうち1ヶ月でも8万3千円以下の月があれば、申請がとおる可能性は十分にある。

(3)世帯分離は基準日以前なら有効!

 上の項目で世帯分離をして単独世帯主であり、見込収入が水準内であれば対象になると書いた。しかし!行政もちゃっかりしていて、基準日の翌日以降に世帯分離した人は、分離前の世帯が対象になってしまう。この基準日も自治体によってまちまちで、2021年12月10日としている市町村もあれば、2022年6月1日の市町村もある。ここは注意が必要だ。

(4)対象外となる世帯※4

 ・住民税(均等割)が課税されている方の扶養親族等のみからなる世帯

 <例1>

  別居している親(課税者)に扶養されている学生の一人暮らし

 <例2>

  子ども(課税者)に扶養されている高齢者夫婦の世帯

 <例3>

  別住所にて単身赴任している者(課税者)に扶養されているその配偶者と子のみの世帯

(5)どうやって証明する!?コロナによる収入減

 10以上の自治体を調査したところ、コロナによる収入減を証明する資料の提出は、必要がなかった。代わりに申請書に下記のような文言があり、これに同意、署名することで成立する。

「新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減少したため、下記内容を確認し、裏面の【誓約・同意事項】に誓約・同意の上、申請します。」※5

(6)成人年齢の引き下げはどうなる?

 今年4月から成人年齢が18歳に引き下げられた。各自治体の非課税限度額判定表には扶養している子が未成年の場合、未成年でない扶養家族とは別の限度額が設けられている。今から申請する場合、この未成年が18歳未満と解されるのか、施行前の20歳未満と解されるのか、内閣府コールセンターに問い合わせてみた!2022年6月7日現在で今から申請する場合は18未満を未成年と解されるとのこと。しかし別の自治体では旧成人年齢を適用し19歳以下を未成年とする、との回答。ここも各自治体で対応が異なるようだ。統一せえよ!(ボソ)


◆まだ間に合う家計急変給付金申請!

 申請期限は2022年9月30日まで!まずは自分の自治体のホームページを確認することが先決だ。キーワード「新宿区 家計急変」などで検索すれば探しやすい。各自治体の対応は大枠としては同じだが、限度額など細かい点で異なる対応がみられる。各自治体HPに掲載されている判定早見表などを参照して、対象になるか確認してほしい。ホームページわかりづらいし、めんどくせえ!と思ったそこのあなたはテルテルテルフォン!ここは食らいついて面倒でも電話して聞きまくろう。たかが10万円、されど10万円。受けとろう10万円。苦しいときこそ一に公助、二に公助、三四がなくて五に公助!

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